ほめパラ!

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2023.10.10 徹子の部屋に阿佐ヶ谷姉妹出演

2023.10.10 阿佐ヶ谷姉妹が、「徹子の部屋」にご出演されたのを見ました。

2017年1月以来のご出演とのこと。

natalie.mu

今回のご出演では、徹子さんが「人気者になられて」と何度も仰っていました。

2017年のご出演は、私はファンになる前のことで、リアルタイムでは見守れなかったのですが、40代でゆっくりと大輪の花を咲かせて、今また、このスタジオに立っておられるという事実に対して、「いくつになっても人は成長するのだ」という物語を勝手に感じとって、感動を覚えていました。

穏やかさはそのままに堂々と貫禄も感じさせる佇まいと喋り、優しさの中に芯の強さを感じさせる理想の女性像を、改めて彼女たちに見ていました。

気負いが減った感じのする江里子さんは、ますます包み込むような優しさを感じさせてくれるようになったと思うし、内弁慶でお姉さんの後ろにいつも隠れているようだったみほさんは、カメラの前でも「みほ様」的な飄々として動じない様子でよく喋るようになられたように思います。

私が阿佐ヶ谷姉妹に落ちた2019年11月末の時点では、彼女たちは自虐を口にすることがかなり多かったと記憶しています。私が見守ってきたこの期間だけでも、随分と印象は変わりましたから、2017年から見守ってきたファンの方の目は、もっと大きな変化を認めているのではないでしょうか。

画面の向こう側に見えるスタジオは、終始、あたたかく楽しげな空気に満ちて見えました。見ていると、なぜか「おかえりなさい」という言葉が頭に浮かびました。

なぜ、そんなことを感じたのか。

阿佐ヶ谷姉妹は、自分たちは「どこにでもいる顔」であることをネタやトークでも打ち出されています。職場に一人、学校に一人、親戚に一人はいる顔であると。それは、どんな場所でも「ホーム」にしてしまう特性にもなるのではないでしょうか。この日も「徹子の部屋」を「ホーム」にしてしまったのかもしれません。

ご自身は、どこに行っても、地元の阿佐ヶ谷の中を歩く時ですら「おじゃましております」とご挨拶される控えめさをお持ちですが、今や、阿佐ヶ谷姉妹は「国民的ご近所さん」みたいな存在になっている気がします。どこにいっても、誰と出会っても、等しく「こんにちは」と笑顔でご挨拶を交わし、穏やかな笑いで、場を優しくあたたかい空気で満たしてくれる。不思議な力を持った方たちだと思います。

少し妄想が広がりすぎましたが、ひとまず、感想として記しますね。

natalie.mu

この記事の写真でも確認できる新型ドレスについてのトーク、面白かったです。お正月と単独ライブでだけ見られた特注のドレスは、裃のようなケープが、ちょっと未来人のような不思議な形状で、まるでファッションショーのランウェイを歩くモデルが身に着けている衣装のようだなと思っていたのですが、このケープを取ると、非常にスタイリッシュなコートドレスになっていました。江里子さんにとてもよく似合うデザインでした。このドレスのくだりは、ちょっとしたイリュージョンのようで見とれました。

トーク以外にも、ネタに歌に盛り沢山の内容で、とても楽しかったです。
ネタ披露は「おばさん検定」でした。このネタは、阿佐ヶ谷姉妹が久しぶりにM-1に参戦され、初めて準々決勝まで勝ち上がった際に披露されたネタで、ファンとしてもとても思い出深いものです。

この2021年の準々決勝では、他の仕事の関係で最後の出順となったのですが、第一声「おつかれでしょう〜?」と持ち味の「やさしさ」で会場を包み込んだところから、彼女たちの空気一色になったことに震えました。全組が勝ちたいと前のめりになる中、自分たちは一歩引いて、彼女たちにしかできないつかみを披露したのです。めちゃくちゃカッコいいと思いました。

一方、本編では、若手にも負けない熱量でお笑いストイックぶりをみせました。江里子さんの「ごうかーく!」の叫びと力一杯全身を使ったアクションは、彼女の魂が燃えているようにも感じました。

そして、準々決勝に出場した全芸人と、それを見守ってきたお笑いファン全ての心を、幸せな気持ちにするオチ「全員ごうかーく!」

残念ながら準決勝には進めませんでしたが、2021年のM-1で唯一無二の存在感を示したと、きっと、阿佐ヶ谷姉妹のファンだけでなく、広くお笑いを愛する人々の記憶に刻まれたと思っています。

芸能界という場所で、自分たちがどのような立ち位置にあり、どう見られているのかをクールに理解しているからこそ、どんな場所でも、こうして自らの「役割」を見事に果たすことができるのでしょう。同年代女性が、こんな風に、自分にしかできないやり方で、若手に混じって、見事な戦いぶりをみせてくれたことに感動したし、自分も自分の場所で自分の仕事を頑張らないとなと思わされました。

そんな阿佐ヶ谷姉妹の戦いの記憶がまだ自分の中で濃く残る「おばさん検定」なのですが、今回の「徹子の部屋」バージョンはまた軽やかなアップデートを見せていたと思います。

これは憶測ですが、阿佐ヶ谷姉妹が歌うと「あなたたち面白いわね」と言ってよく笑う徹子さん向けにアレンジされたのでしょうか、2019年までの漫才には必ずと言ってよいほど入っていた、「男と女(「ばーばーばーばばばばば」という歌)」、そして「オバサンタルチア」という替え歌が、「おばさん検定」に加えられていたのです。何か、新旧の阿佐ヶ谷姉妹のネタをリミックスしたような印象で、前回、2017年1月の徹子の部屋出演から6年半、真摯に積み重ねてこられた芸の道を、ギュッと濃縮して見せられたような気持ちになりました。
それにしても、この「おばさん検定」は、いつどこで見ても面白いネタです。2023年9月に座・高円寺で開催された「激漫〜獲夢〜」に出演された際にも、このネタをされていましたが、みほさんの、新しい「回答」が加わって、本当にお腹痛くなるくらい笑いました。他の阿佐ヶ谷姉妹ファンにも、早く見てほしいです。
それから、以前「にちようチャップリン」のASH&D特集に出演した後、十九人が「先輩は劇場とTVでネタの見せ方を変えている」とRadiotalkで語っていたのですが、今回の「徹子の部屋」でのネタ披露は、特にテレビ向けを意識されて演じられている気もしました。2022年のM-1ラストイヤー3回戦で「仕上がってる」と有名になった「手が洗えないと辛い」漫才の方が、最近はテレビで見ることが多かったので、今回の「おばさん検定」は、私の目には新鮮に映りました。十九人に新しい角度から見る楽しさを教えてもらったなと思いました。

トークパートでは、阿佐ヶ谷姉妹 が徹子さんに人生の指針となるような言葉を尋ねる締めがとても良かったです。

  • くよくよしない。なんか嫌なことがあってもスパッと忘れる。
  • ご飯をちゃんと食べる。3度は食べなくても2度は忘れないように食べる。
  • 人を信じる。騙されたことはないんですけど、いろんな方を信じるっていうのは大事。
  • 自分が仕事が好きだったら、仕事を一生懸命やる」

「普通でしょ?」と徹子さんは仰ったけど、「普通」の素晴らしさや愛おしさを私は阿佐ヶ谷姉妹にもたくさん教えてもらってきたと思っています。

やっぱり「普通」ってすごいなと、今回の徹子さんの金言も噛み締めました。

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