ほめパラ!

見たもの聞いたもの。好きな人たちのことを褒めたい人です。

「阿佐ヶ谷ワイド!!」は「続・のほほんふたり暮らし」なのかもしれない。

この春の阿佐ヶ谷姉妹はすごい!

2022年4月。阿佐ヶ谷姉妹のレギュラー番組がまたまた増えました!

2020年春から続く阿佐ヶ谷姉妹の快進撃は止まるところを知りません!

  • 月曜:ゴールデンラジオ(3年目)、阿佐ヶ谷アパートメント(NEW!)
  • 火曜:ヨルガヤ姉妹の今夜も眠れません(3クール目)
  • 水曜:ヒルナンデス(3年目)
  • 木曜:阿佐ヶ谷ワイド‼︎(NEW!)
  • 金曜:あさがや手帖(2年目)
  • 月曜~金曜:阿佐ヶ谷姉妹のお困りでしたら(3年目)

平日は、何かしら阿佐ヶ谷姉妹の出演番組があるという状況。これに加えて、ゲスト出演される番組も、以前と変わらずに多いですから、すっかり阿佐ヶ谷姉妹漬けの毎日となっています。

これらのレギュラー番組。どの番組についても褒めて褒めて褒めまくりたいところなのですが、今回は、まず、初の民放冠レギュラー番組である「阿佐ヶ谷ワイド!!」について、好きなところ、素敵だなと思うところ、感じたこと考えたことなどを書き留めておきたいと思います。 

https://pbs.twimg.com/media/FPt465kaQAA3UyL?format=jpg&name=4096x4096

※公式Twitterの画像リンクを埋め込ませていただきました。

「阿佐ヶ谷ワイド!!*1」とは

テレビ朝日のWEBサイトに掲載されている番組概要は以下のとおりです。

杉並区「阿佐ヶ谷」をもっと素敵な街にするために阿佐ヶ谷姉妹が立ち上がる!この番組は、「阿佐ヶ谷」の街で起きる様々なことに、阿佐ヶ谷姉妹が首を突っ込む東京初の阿佐ヶ谷ローカル番組です!
「阿佐ヶ谷の高い建物から富士山&日の出を鑑賞!」
「人材不足に悩む、阿佐ヶ谷の銭湯をお手伝い!」
「阿佐ヶ谷で新生活を送る人の引っ越し手伝い!」…などなど
エリアが狭いからこそ、より深い世界・知識に触れることができる!阿佐ヶ谷の魅力を再発見できる、阿佐ヶ谷姉妹による阿佐ヶ谷を題材とした地域密着バラエティ!阿佐ヶ谷姉妹がほっこり心を温める人間ドラマを提供します。

「仕事での話題の9割が阿佐ヶ谷」という阿佐ヶ谷姉妹*2。レギュラー出演している文化放送「ゴールデンラジオ」でも、行きつけの中華料理屋さんのエアコンが壊れた話を数回に渡りオープニングトークでとりあげるなど*3、本当に半径100メートルくらいの話をしていて、リスナーからも「阿佐ヶ谷ミニFMか」とツッコミが入るほどです。

こんな風に、この2年間、東京のラジオ・テレビで、頑なに「阿佐ヶ谷ミニFM」的トークを貫いてきた阿佐ヶ谷姉妹が「阿佐ヶ谷から一歩も出ずに作る超・地域密着バラエティ」をスタートさせるとのこと。自分たちの面白さや魅力を存分に発揮できそうな冠レギュラー番組の枠を、ありのままに背伸びせずにお仕事を続ける中で獲得されたことが、なんだかカッコいいな…と、ちょっと感動してしまいました。

テレビやラジオの世界で今まで以上に広く求められるようになる中で、こんな風に身の丈を貫ける人ってなかなかいないと思うんですよね。ほんとすごい。*4

そして、新番組のスタートを報じるこのお笑いナタリーに寄せられた阿佐ヶ谷姉妹のコメントを読むだけでも、穏やかな気持ちになりました。

natalie.mu

「バラバラ大作戦」のお顔ぶれ、今をときめく皆さまばかりで。この中に私たちまぜていただいていいのかしら~本当にありがたいです。最近、寄る年波か寝る時間が早くなってきてしまったのですが、オンエアーの時間には眠気を吹き飛ばして正座して見ます。ご覧いただく皆様は、寝っ転がったりお好きな形で見てくださいね。途中で寝てしまってもいいような、そんなゆるやかな番組になればと思います。宜しくお願いいたします。

「見ている人が寝てしまってもいい」という、この肩に力の入っていない感じが、阿佐ヶ谷姉妹の揺るぎなさであり強みなのでしょうね。他の人が、闘争心を剥き出しにして前へ前へと攻め込む中で、一歩引いたスタンスをとるのですが、そのこと自体が唯一無二の存在感を生み出すのです。*5

そしてこのツイート。

「ピンクで括ってくださって」と細やかに感謝を伝えるエリコさんの人柄にほのぼのしつつも「ちょっと細かすぎません???」と、少しばかりの可笑しみを感じる部分もあって、こういうちょっとズレてるところも面白くて好きなんだよなぁと、スマホの画面を眺めながらニコニコしてしまうのでした。

「阿佐ヶ谷ワイド!!」第一話感想

2022年4月7日の「阿佐ヶ谷ワイド!!」第1話は「阿佐ヶ谷からお送りする番組の題字がないことを解決したいわね!」と題して、御朱印で有名な阿佐ヶ谷神明宮を訪問し、番組成功の御祈祷をしていただくとともに、宮司さんにお願いをして、番組の題字を書いていただくという内容でした。

いつも通りにゆるゆるとした漫才のような小競り合いで番組スタート。特に気負った様子もなく、穏やかな表情にファンとしてはさっそくホッとした気持ちになりました。この番組、阿佐ヶ谷姉妹の「ありのまま」を生かそうとしてくれてるみたいだなと、このオープニングだけで伝わってくるように思いました。

阿佐ヶ谷駅南口でオープニングを撮り終えた阿佐ヶ谷姉妹は、有名な喫茶店gionさんなどのある「阿佐谷新進会商店街」を通り抜けて、阿佐ヶ谷神明宮へ向かいます。

出会う街の人々は皆、地元のスターである阿佐ヶ谷姉妹を取り囲むわけでもなく、まるで顔見知りであるかのように、自然に手を振って通り過ぎていきます。阿佐ヶ谷姉妹も「こんにちは」「おはようございます」「どうもー」「おつかれさまです」「いってらっしゃい」などと、一人ひとりにご挨拶を返し、会釈し、手を振りながら歩いていきます。

このシーンを見ているだけで、私は、とても幸せな気持ちになりました。こんな風に、その存在が、阿佐ヶ谷の街の「日常」にしっかりと根付いている阿佐ヶ谷姉妹って本当に素敵だなぁと思ったんです。まさに「クイーン・オブ・地に足」*6

そして「笑顔で挨拶っていいな」などと、当たり前みたいなことを再認識させられたりもしました。「私も日々なるべく機嫌良く挨拶しよう」なんて、不思議な説得力をもって、ちょっとした人生訓を与えてくれる阿佐ヶ谷姉妹。リスペクトがとまりません。

でも、単なる「癒し」で終わらないのが阿佐ヶ谷姉妹なんですよね。みほさんがこの状況を俯瞰してボソッと言うことが、じんわりと可笑しい。

「選挙活動みたい」

ほんとそれですねw

阿佐ヶ谷の「日常」に「おじゃまする」阿佐ヶ谷姉妹

そんな街の中でのご挨拶シーンの中で目立ったのが「おじゃましてます」というエリコさんのご挨拶です。

これに対してみほさんは「おじゃましてますって変だわね」と言っていましたが、私も、少しばかりの違和感をもって見ていたんですよね。でも、エリコさんの返しを聞いて、ハッとさせられました。

「おじゃましてるじゃない。阿佐ヶ谷の『日常』に。」

阿佐ヶ谷姉妹の特質を端的に言い表しているような気がしたのです。

確かにこの番組では、「リアル」の阿佐ヶ谷の街を舞台に「リアル」の阿佐ヶ谷姉妹がピンクのドレスを着て歩いているのですが、それは、オフの時間に、渡辺江里子さんと木村美穂さんが街を歩く「日常」からはズレたテレビバラエティという「つくりもの」の世界なのです。

ピンクのドレスを着て、テレビカメラを引き連れて、街を歩く阿佐ヶ谷姉妹は「リアル」でありながら「非日常」であり「つくりもの」である。

こうした阿佐ヶ谷姉妹の「虚構」と「リアル」については、こちらのWEB記事で的確に考察されています。*7

www.news-postseven.com

そもそも阿佐ヶ谷姉妹自体が、虚構とリアルが同居する存在なのだ。姉妹と名乗るほど似ているが本当の姉妹ではなく、阿佐ヶ谷を名乗るとおり本当に阿佐ヶ谷に住んでいる。テレビに住むピンクの妖精のようで、杉並区に住民票がある。

生活感あふれる会話や、ちょっと天然の美穂さんとしっかり者の江里子さんという関係性、やりとりで生まれるなんとも言えないおかしみといった、阿佐ヶ谷姉妹の「リアル」は動かない。背伸びをせず、取り繕うことなく、そこにいてくれる。

阿佐ヶ谷姉妹」が虚実の間を漂う非常に面白い存在であることが、この「おじゃましてるじゃない。阿佐ヶ谷の『日常』に。」というエリコさんの一言に端的に表されているように思います。

ドラマ「のほほんふたり暮らし」と阿佐ヶ谷姉妹の「虚像」と「実像」

こうした阿佐ヶ谷姉妹の「虚構」と「リアル」については、ドラマ「のほほんふたり暮らし」放映中の2021年12月13日に放送された「ゴールデンラジオ」でも話題になっていました。ドラマでエリコさんを演じた木村多江さんとみほさんを演じた安藤玉恵さんをゲストに迎えた回です。この時に、大竹まことさんが、こんな話をされました。

「そもそも阿佐ヶ谷姉妹自体が虚構なんだよね。姉妹でもなんでもない二人が姉妹を名乗って、阿佐ヶ谷で、実際に暮らしている。多江さんと玉恵さんは、この虚構性の上に成り立っている人たちを演じなければいけない。しかし、虚像でありながら阿佐ヶ谷姉妹は実際にここに存在している。もう死んでいる人…たとえば、時代劇で誰かを演じるのとは訳が違う。そして、ここに脚本というものが加わって、もう一つ現実ではないものが重なる。この虚像を、見ている人に、実像として信じてもらえるように演じなくてはいけない。」

これを受けて、木村多江さんもこんなことを仰いました。「私たちは阿佐ヶ谷姉妹さんのプライベートを全く知らないので、私生活を妄想して演じたんですけど、そこにも虚構が入っていますね。」

そんないくつもの「虚構」が重なりあって作り上げられたこのドラマなのですが、世間からはたくさんの共感を集めました。そして、作品としても高く評価され、第30回橋田賞を受賞しました。「人とのつながりの大切さを押し付けることなく届け、視聴者を、癒しや温かさで包み込んだ」というのが橋田賞の受賞理由ですが、このドラマは「つくりもの」でありながらも、確かに「今」の「リアル」の一面を表現するものでもあった、ということなのだと思います。

この点も、大竹まことさんは、この日のゴールデンラジオで指摘をされていました。少し前までは「結婚して子供を持つことが幸せ」という価値観があたりまえだったけれども、ちょっと違う生き方があってもいいのかなと、みんなが思うようになっているのが「今」なのかなと。そしてそんな「今」に阿佐ヶ谷姉妹とこのドラマがフィットしたのだと。

これに対して木村多江さんは「このドラマでは何も起こらないんです。でも、小さな幸せがいっぱいある。どんな生き方でも幸せは見つけられるということを伝えてくれるドラマだと感じています。」と仰っていました。

「つくりもの」の中で、確かに表現される「リアル」というのは、このドラマの中で演じられた「阿佐ヶ谷姉妹」についても同じことが言えるでしょう。

エリコさんは多江さん演じる「渡辺江里子」を「大吟醸の江里子*8」と言い表し「確かに私なんだけど、私ではない。」と評していました。全てが「虚像」であるにも関わらず、多江さんは、渡辺江里子さんの本質みたいなものを見事に表現された。つまり、多江さん演じる「渡辺江里子」は「虚像」でもあり「実像」でもあったということなのだと思います、

「阿佐ヶ谷ワイド!!」とは「続・のほほんふたり暮らし」なのかもしれない

阿佐ヶ谷姉妹や、ドラマ「のほほんふたり暮らし」をめぐる「虚構」と「リアル」に考えを巡らせているうちに、ふと、こんなことを思いつきました。

「阿佐ヶ谷ワイド!!」とは「続・のほほんふたり暮らし」なのかもしれない。

この番組には「リアル」の阿佐ヶ谷の街で実際に暮らす一般の人々が登場します。テレビ向けの強烈なキャラクターや人を驚かせるような能力の持ち主である等、人とは明らかに違う何かを見せつけてくるような人物はいません。「普通の人」が「普通」に登場します。

それは「のほほんふたり暮らし」の登場人物たちと全く同じです。行きつけの中華料理屋の大将。アパートの大家さん。ご近所のお煎餅屋さん。担当の美容師さん。健康体操教室のお仲間……皆さん、実際に阿佐ヶ谷の街で暮らす「普通」の人たちです。

そんな「普通」の人たちと阿佐ヶ谷姉妹が「普通に」ご近所づきあいをする中で生まれた「普通」のエピソードが描かれたのが「のほほんふたり暮らし」でした。この物語には何も起こらない。でも、そんな「普通」の中にもフフッと笑える要素や感情を揺さぶられるドラマがたくさんあることを、この作品は教えてくれました。*9

「阿佐ヶ谷ワイド!!」も、ロケ番組ではありますが、番組概要に「阿佐ヶ谷姉妹がほっこり心を温める人間ドラマを提供」と書かれている通り、阿佐ヶ谷姉妹と街の人たちの「普通」のやりとりの中にある温かさやドラマを見せてくれるものになるのかもしれないと思ったんですよね。

たとえば、第2話は、阿佐ヶ谷姉妹が区の施設や行きつけのお店などを訪問し、番組ポスターを貼らせてもらえるようお願いする、という内容でした。

区役所の方とも、行きつけの八百屋さんとも、何か特別なやりとりがあったわけではありませんが、ちょっとしたことでも楽しんでみせる阿佐ヶ谷姉妹の2人のおもしろ可愛さであったり、区の職員さんや八百屋のご主人の嬉しそうな笑顔は、まさに、ほっこり心を温めてくれるようなもので、見ている私も笑顔になりました。

中でも、寡黙そうな和菓子屋のご主人の笑顔が心に残りました。みほさんが「27歳くらいから買いに来てるけどお話しするの初めてですね」と話しかけていましたが、この一言なんかは、とてもドラマチックだなと思いました*10

また、スターロード商店街の会長さんは、ご挨拶をされただけでしたが、失礼しますという阿佐ヶ谷姉妹を見送り、窓を閉めてすぐにポスターをガラスの内側に貼っておられたのが印象的でした。その密やかな応援の気持ちを想像してみると、なんだか嬉しくなってしまいます。*11

「阿佐ヶ谷ワイド!!」と「シビックプライド」

「阿佐ヶ谷から一歩も出ない超・ローカル番組」という企画は、さすがに攻めすぎているのではないか。ネタ切れにならないのか?そんな意見を見かけることもあります。しかし、これが「阿佐ヶ谷」ではなく「杉並区」であったら生まれ得ない物語があるようにも思うのです。

たとえば、第3話では、阿佐ヶ谷で物件探しをする若い女性スタッフと一緒にロケをしましたが、エリコさんの口から、ロケで訪問する物件の立地や生活情報などが次々と出てくるのが面白かったです。「ここは駅近だけど静かで落ち着いている」「風呂なしシャワールームだけの物件でも、近所に銭湯がある」など、この展開は、企画を「阿佐ヶ谷」に限定したからこそ、生まれたものでしょう。

多分、それは、台本に書かれていることではなく、実際に阿佐ヶ谷で暮らしている阿佐ヶ谷姉妹だからこそ、自然に出てくる言葉なのだと思います。見ている私達は「オレたちは地上波で何の話を聞かされているんだ??w」と言いながらも詳しすぎることが面白くて笑ってしまう。そして「阿佐ヶ谷」という一つの土地にしっかりと根を張って暮らすことの尊さに、じんわりと感動を覚えるのです。自分の住む地域を愛すること。それは普遍的な価値であり、日本中どこに住んでいても、共感し得るものだと思います。

シビックプライド」という言葉があります。まちへの「誇り」「愛着」「共感」をもち、「まちのために自ら関わっていこうとする気持ち」のことを言います。まさに「阿佐ヶ谷ワイド!!」での阿佐ヶ谷姉妹の振る舞いは、この「シビックプライド」を体現するものともいえるでしょう。おそらく「阿佐ヶ谷ワイド!!」が「阿佐ヶ谷」にこだわるほどに、阿佐ヶ谷姉妹の「シビックプライド」はより鮮明に描かれると思いますし、それは、日本中の「地方」に希望を見せてくれるのではないでしょうか。

阿佐ヶ谷姉妹が紡ぐ物語が与えてくれる希望

この「続・のほほんふたり暮らし」では、やっぱり、何も起こりません。でも、阿佐ヶ谷姉妹の「のほほん」ぶりや、街の人々の笑顔に「嘘」はありません。人が生きることの「リアル」の一面が、確かに、描かれているのです。

もちろん、世の中、そんな綺麗なものばかりではないことは知っています。そういう意味で「阿佐ヶ谷ワイド!!」は「虚構」であり、私がモニターを通じて見ている「阿佐ヶ谷」も「阿佐ヶ谷の街の人々」も「温かさ」も「虚像」なのだろうと思います。

でも、そんな「つくりもの」であるところの「物語」が見せてくれる希望が、私の「リアル」を、少しだけ明るく楽しいものにしてくれたりもするのです。

明日は笑顔で朗らかに「おはようございます」と言ってみようかしら。

そんな気持ち一つで、日々の色彩が、ちょっぴり変わってくることを、阿佐ヶ谷姉妹の紡ぐ「物語」たちは、いつも私に教えてくれています。

これからも、阿佐ヶ谷姉妹が見せてくれる「物語」の続きを、追いかけ続けていきます!

 

本日の妄想は以上です。

*1:放映に関する情報は公式Twitterが詳しいです。TVerをはじめとする配信サービスの情報もご案内いただいており、こちらを追いかけておけば、見逃すことはありません。

*2:2021年2月28日「爆笑問題霜降り明星のシンパイ賞!!」

*3:我々は何を聞かされているのか…?!というツッコミもありつつも、杉並区役所まで相談に行ってあげたエリコさん優しいなとか、朝陽の常連さんみんなで知恵を出し合うのあったかいなとか、無事工事終わっておじさん良かったねーとか、遠方に住む地方リスナーも、何気に我が事として聞いていました。単なる内輪話にならないのが、阿佐ヶ谷姉妹トークの不思議なところです。これもきっと「話術」なのでしょうね。

*4:2021年11月6日の「マツコ会議」でのマツコさんの発言が思い出されます。「みんな心の中で気づいてるのよ。ただのいいおばちゃんじゃないの。実はもう、テロリストみたいなことやってるから」「ただのいいおばちゃんだったら、こんなに世の中は反応しないのよ。実はだから、阿佐ヶ谷姉妹みたいな生き方が、正しくなってんのよ、むしろ。人々が観て、地に足つけた人生っていいなって」

*5:2021M-1準々決勝もそんな感じでした。全組が勝ちたいと前のめりになる中、自分たちは一歩引いて、彼女たちにしかできないつかみを披露し、持ち味の「やさしさ」で包み込みました。一方で、本編では、若手にも負けない熱量でお笑いストイックぶりをみせ、全力で笑わせにきます。そして、準々決勝に出場した全芸人と、それを見守ってきたお笑いファン全ての心を、幸せな気持ちにするオチ。残念ながら準決勝には進めませんでしたが、2021年のM-1で唯一無二の存在感を示したと、きっと、阿佐ヶ谷姉妹のファンだけでなく、広くお笑いを愛する人の記憶に刻まれたことでしょう。芸能界という場所で、自分たちがどのような立ち位置にあり、どう見られているのかをクールに理解しているから、どんな場所でも、こうして自らの「役割」を見事に果たすことができるのです。同年代女性が、こんな風に、自分にしかできないやり方で、若手に混じって、見事な戦いぶりをみせてくれたことに感動したし、自分も自分の場所で自分の仕事を頑張らないとなと思った、2021年M-1阿佐ヶ谷姉妹の戦いぶりでした。

*6:2021年11月6日の「マツコ会議

*7: 実はこの記事は4月17日に書き始めたのですが、この「リアル」と「虚構」の部分がうまく書けずに下書きに保存されていたのです。このままお蔵入りかなと思っていたのですが、この井上さんの記事を読んで、ちょっと続きを書いてみようかなという気持ちになりました。感謝です。

*8:この言葉のセンスが大好きです。

*9:先のゴールデンラジオで大竹まことさんは「のほほんふたり暮らし」について「何も起こらない方が『劇的』なのかもしれない。」と仰っていました。

*10:そして、その後の第5話でまたドラマが。第2話でロケを行ったスターロード商店街の銭湯が第5話のロケ地だったのですが、ロケ地に向かう姉妹が、ポスターが貼ってあるのを見ながら、歩いていたんですよね。どうやら商店街事務局で協力を呼び掛けてくださったようで、色んなお店に番組ポスターが貼ってあり、あったかいなぁとニコニコしてしまう展開でした。が!しかし!なんと、この和菓子屋さんの店先に、貼ったはずのポスターがない!(笑)それに目ざとく気づいたみほさんが「え?」と指さします。エリコさん「やめなさい」と阻止するのですが、これは面白い展開になると思ったのか、「ご挨拶だけしていきましょうか」と、ゆるやかにみほさんにトスを上げます。そして、満を持してみほさん「あの…あそこに…」と店主に問いかけるのです。みほさん漲ってますね。最高です。そして、エリコさんは絶妙のタイミングで「やめなさいよ」とみほさんをたしなめる。本当に綺麗な流れでした。ちなみに、店主さんがポスターをはがしたのは、「日にちが過ぎてたから」という理由でした。放送開始日を放送日と勘違いされていた様子。レギュラー番組とは思っておられなかったようですね。阿佐ヶ谷姉妹が店頭で挨拶した時、嬉しそうに店の奥から顔をのぞかせて店先に出てこられた店主さんの素朴さに、なるほどなるほどと思いましたし、逆に、あったかい気持ちになりました。いいなぁ、こういうの。そして、最後に、みほさんの頭をぐいぐい手で押し下げながら「うちの子がすみません」みたいな感じでお母さんみたいになるエリコさんも最高に面白かったです。ここ、第5話の名場面でした。ちなみに、阿佐ヶ谷の地元の方のSNSによると、和菓子屋さん、第5話の放送後にまたポスター貼ってくださってるみたいです。これもまた嬉しいですね。

*11:第5話では、第2話でスターロード商店街にロケでお世話になったということで、ロケ翌日にエリコさんがお礼のご挨拶に回ってお買い物もして帰ったことがサラッと語られていることにグッときました。本当に素敵だなと思います。そして、こんな風にエリコさんが、この阿佐ヶ谷という土地で、丁寧に暮らし、人を思いやりながら関わる中で、積み重ねてきた「信頼」や「絆」の一部を、私たちはエンターテイメントとして消費させていただいていることを思わずにいられませんでした。私はファンの一人として、自分なりに心を尽くして、わきまえるべきところは、わきまえていきたい、と思っています。