ほめパラ!

見たもの聞いたもの。好きな人たちのことを褒めたい人です。

M-1グランプリ2021に阿佐ヶ谷姉妹が参戦!

第1報。驚き、感動し、惚れ直した!

毎日、仕事を終えると「今日一日、阿佐ヶ谷姉妹について、何か新しいお知らせはあったかな?」とスマホをザラッと眺めるのが日課なのですが、2021年7月19日の夕方は、全身の毛穴がキューってなった後に、身体中がカーッと熱くなるような、衝撃的なニュースが飛び込んできました。

阿佐ヶ谷姉妹が!!

M-1に!!!

エントリー!!!!!

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正直、こんなこと、想像していませんでした。そして、そのことをまず、阿佐ヶ谷姉妹に対して、謝りたいような気持ちになりました。

でも。だって。

もう、十分に、芸能界で、唯一無二のポジションを確立しつつあるじゃないですか!

2020年4月からは、テレビ、ラジオでのレギュラー番組が続々と決まり、毎日のように、その活躍する姿に触れられるようになりました。そして、ゲスト出演する各種バラエティ番組などでは、必ず爪痕を残し、たとえば千鳥*1など、色んな芸人さんから「面白い」と評価されています。

テレビやラジオに登場する度に、その言動はネットニュースにとりあげられ、Twitterは、阿佐ヶ谷姉妹への言及で賑わいます。この勢いは、2021年秋になってもとどまるところを知りません。*2

こうしたニュースに対するリアクションが知りたくて、WEBやSNSで、ちょっと検索をかければ、「大好き」「会いたい」「お話したい」「お知り合いになりたい」「お友達になりたい」「混ざりたい」といった愛の表明が、たくさんヒットします。明らかなアンチはほぼ見当たりません。*3

こんなにお茶の間で愛される存在となったのに、まだ、しんどい思いをしてまで、賞レースに挑戦されるのですか?と。まず、そこに驚きがあったのです。

そして、悪い意味でなく「地味」*4で、おとなしそうな見た目からは想像もできないような心の強さ、そして、現状に甘んじることなく自分自身と戦い続けるカッコよさを、勝手に感じ取って、感動に打ち震えたわけです。

「のほほん」の奥底に秘められた強さと情熱の、なんと美しいことか!

もう何度目になるでしょう。

阿佐ヶ谷姉妹に、惚れ直しました。

大好きです。

なぜ彼女たちは挑むのかを妄想する

さて。ここからは、私の勝手な妄想です。

それにしても、なぜ、こんなにも売れっ子芸能人になったにも関わらず、彼女たちは、賞レースへの挑戦を続けるのでしょうか。
あまり、自らについて声高に語ることのない阿佐ヶ谷姉妹(またそれが美点でもある)ですので、なかなかその思いを知る手がかりは少ないのですが、いくつかのインタビュー記事に、お笑いに対する思いを語る言葉が残っています。

私の見たもので一番古いものは、2013年4月に、海外ドラマ『SMASH』のDVDリリース記念イベントに阿佐ヶ谷姉妹が登場したニュースになりますが、この記事では、お二人のお笑いに対する思いを少しだけ読むことができます。

渡辺「色物感が強いコンビなので、いつか実力派コント師と呼ばれたい」
木村「シティボーイズさんのような鋭いコントがしたい」

www.oricon.co.jp

阿佐ヶ谷姉妹!カワイイ!カワイイ!」と、365日チヤホヤしまくっている私が言うことではないのですが、きっと、そんなお茶の間のアイドル的な存在になることは、阿佐ヶ谷姉妹の目指すものではないのでしょうね。

もっと面白くなりたい!というのが、彼女たちの一番の願いであり、有名になってチヤホヤされるために人前に出ているわけじゃないんだから、私が、M-1エントリーの第一報を受けて「もうこんなに売れてるんだから、賞レース出る必要なんてないんじゃないの?」と思ったのは、ひょっとしたら、ずいぶんと的外れなことだったのかもしれないと反省したりするわけです。

また、2018年12月、女芸人No.1決定戦 THE Wの優勝会見では、自分たちの挑戦について、こんな風に、語っておられました。

渡辺:結成した当時からピンクのドレスを着続けて、いつか"ピンクのおばさん"と認識してもらえるようになるまでこれでいこうかなんて言っているうちに12年目に入ってしまいました。やっとピンクのドレスで歌うおばさんっていう認識をしていただきはじめた感じはあったんですけど、まだまだ芸人として「面白いね」と言っていただけるというところまでにはぜんぜん至っていなくて。せっかくこういった大会がある中で、何かチャレンジできる部分はないかなって考えたときに「ちょっと脱いでみようかな」と思ったんです。もともとおばさんネタみたいなものはやっていたんですけど、ガッツリずっとピンクのドレスを着ないで勝負したときにどこらへんまで行けるのかなと。

news.yoshimoto.co.jp

SMASH』のインタビューから5年後のこの優勝会見においてもなお「もっと面白くなりたい」という阿佐ヶ谷姉妹の志は全く変わっていないのです。

そして、この優勝を「通過点」と言った阿佐ヶ谷姉妹は、翌年も、連覇を目指して、THE Wにチャレンジします。

決勝の舞台では、前年と同じく、ピンクのドレスを着ないコントで勝負し、持ち味の「歌って踊れるおばさん」の面白さも生かしたネタで勝負しました。非常に面白かったのですが、残念ながら僅差で、はなしょーに敗れました。

この時の審査員、ハイヒールリンゴさんの阿佐ヶ谷姉妹に対するコメントが非常に印象に残っています。

リンゴさん「すっごい悩んだんですけど、次、どっちが見たいかという話をしてしまうと、そう(はなしょー)なのかなと。でも、もう、完成されてしまっているんですね。別のフィールドにまた、行っていただきたいような、そんな気がします。面白かったですけど、私は」

リンゴさんは「別のフィールド」が何なのか、はっきりとはおっしゃいませんでしたが、M-1やKOCにおいて、唯一無二の「完成されたおばさん芸」で男性芸人とも戦ってこい*5。そんなエールであるように、私には思えました。*6

この2年連続のTHE W決勝進出により、お笑いに興味・関心を強く持つ層においては、「阿佐ヶ谷姉妹はネタも面白い」ということが、一定、認識されているように思います。

実際、お笑い評論家の方も「ネタの面白さにも定評がある」とコメントされていますし、2021年7月28日、8月4日の二週にわたって放映されたロンドンハーツ「もしも新しくコンビを結成するならあの女芸人と組みたい」*7では、エリコさんが、最も多くの指名を受け、芸人としての能力の高さについて賞賛が寄せられました。*8

「ピンクのドレスを着たちょっと変わった人達」としてコツコツと営業やテレビ出演のオファーに応え、その時々に出来ることをきちんとやり、その結果、徐々にその存在を認知され、ゆるやかにお茶の間の人気者としての地位を固めてきた阿佐ヶ谷姉妹。その手ごたえはずっと感じてきたはずです。それでもやはり「芸人としてもっともっと面白くなりたいんだ」という本筋を見失うことがなかったからこそ、今、同業者から、その実力を評価されるようになっているのではないでしょうか。

しかしながら、これだけ評価されていても、まだまだ、彼女たちを「ピンクのドレス着たイタイおばさん」という「色物」としかとらえていない人はいます。実際、私の知り合いにもそういう人がいるので、常々、とても残念だと思っているのですが、彼らがそう思うことを止めることはできません。

でも、彼女たちが「もっと芸人として面白くなろう」と挑戦を続けていけば、きっと、この状況もさらに変わっていくはずです。こういった意味でも、今なお、彼女たちは「通過点」にいるということなのでしょう。

そして、そんなことは、私が偉そうに語らなくても、彼女たち自身が、誰よりもよく知っているのだろうと思います。

また、阿佐ヶ谷姉妹は、自分たちの芸に対して無理解な人々を、力づくでも分からせようなんて、無駄なことはしません。受け流せる部分は受け流し、受け流さないものについても抗わずにとりあえず聞き置き、自分たちが必要となる時がきたら使わせてもらうという、しなやかな折れない強さを持ち合わせています。*9。だから、これまでもこれからも、きっと変わらず、ご自分の信じるお笑いの道をマイペースに確かな足取りで進み続けるはずです。

彼女たちが見つめるのは、自分たちの遥かに先を走り続けるシティボーイズの背中だけ*10

お茶の間から寄せられる好意や同業者からの賞賛に甘んじることなく、自らのありたい姿を実現するために挑戦し続ける美しさに、また、さらに多くの人が惹きつけられていくに違いありません。

 

今回の、阿佐ヶ谷姉妹M-1エントリーは、「エントリーした」という事実だけで、既に、全国のおばさん達に元気と勇気を与えたはずです。

少なくとも、ここに一人、そんなおばさんが、確かに存在しています。
彼女たちの、穏やかでのんびりとした風情の底に仄見える強さと賢さにドキドキさせられ、自分も自分の仕事をがんばらねばと、日々、元気や勇気を与えていただいています。

このM-1への挑戦が、どうか、阿佐ヶ谷姉妹にとって、素敵な思い出の日々となりますように。

ご自分たちらしくノビノビと漫才を楽しんでくださいますように。

そんな阿佐ヶ谷姉妹の姿を見守り、全力で応援できることが、私も楽しみです。

いっぱい笑えますように!!

 

本日の妄想は以上です。

*1:2021年1月19日相席食堂の冒頭、エリコさん登場シーンでの千鳥のお二人のコメント。大悟「意外…って言ったらおかしいですけど、阿佐ヶ谷姉妹はすごいお笑いなのよね」ノブ「そう、無茶苦茶面白いしね」

*2:最近では、千葉ロッテマリーンズのホームゲームの始球式でピッチングを披露したり、自らのエッセイを原作とするドラマがNHKで放映されることも決まるなど、大きなお仕事のニュースで、世間を賑わせました。

*3:彼女たち、冗談抜きで、マジで女神なのかな?

*4:「地味」って一般的にはおそらく褒め言葉ではないけれど、「地味だけどいじけていない人」というのは、周囲の人に安心感を与えるし、寧ろ「華やかだけどゆとりのない人」よりも、多くの人から愛されそう。阿佐ヶ谷姉妹を見ていると、そんな、ちょっとした価値観の転換が起こって、見ている私の肩からも力が抜けます。

*5:座王でみほさんが笑い飯の西田さんを破って優勝した時、「座王の鬼」と呼ばれる西田さんが随分とみほさんに翻弄され戸惑っておられたように見えたのには驚きました。「あと100回やっても勝てる気がしない」と西田さんに言わせたみほさんの強さ。

*6:もしくは、賞レースに限らず、たとえば、東京03のように、ライブツアーを主軸とした活動も「別のフィールド」かもしれませんよね。ネタと歌が半分ずつの構成の単独ライブ、しかも歌は生バンドを引き連れての本格的なコンサートということですから、現時点でも「好きでテレビに出てたら見ちゃう」というライト層まで含めた集客が十分望めるのではないかと考えたりもします。

*7:阿佐ヶ谷姉妹・江里子の“オールラウンダーな芸人としての能力”が評価されていた『ロンドンハーツ』(てれびのスキマ) - QJWeb クイック・ジャパン ウェブhttps://qjweb.jp/regular/54316/

*8:特に、吉住さんは「芸人の中のスキルで言ってもズバ抜けているというか、ネタもトークもできて、ロケもできる。あと歌もうまいし、営業が回れるんですよ。完璧。死角がない。」と絶賛。そして、納言幸さんは「この企画決まった時、先輩にも相談したんですけど、ほぼ皆、江里子さんって言ってました」とコメント

*9:この阿佐ヶ谷姉妹の考え方については、私の大好きなインタビュー記事で知りました。何度も何度も読み返して、心を支えてもらってきた記事です阿佐ヶ谷姉妹「大きな野望は持たない。私たちにとって仕事は『思い出づくり』のようなもの」 - りっすん by イーアイデム (e-aidem.com)

*10:憧れの芸人さんとして由紀さおりさんを挙げられることもありますが「芸人」というと少し違うのかな。確かに、歌手としても喜劇女優としても素晴らしい方で、志村けんさんとのコントは、私を含めた同世代の記憶にしっかりと刻まれていますよね。