ほめパラ!

見たもの聞いたもの。好きな人たちのことを褒めたい人です。

有吉の壁 Break Artist Live’22 おたから塚歌劇団うめ組

「有吉の壁 Break Artist Live’22 」Day1とDay2、アフタートークを、配信で見ました。大ボリュームでした。

基本的には、音楽ライブとしてではなく、「歌ネタ」というか「音楽含みのコントライブ」として見ていましたが、とにかく演出が豪華なことに驚きました。最初の演目から演出に炎を使うって、音楽ライブでもあまり無いのではないでしょうか。チケット代が、音楽ライブ並みの9000円と、お笑いライブではあまり見ない価格設定がされていたのも納得です。

パフォーマンスは、「芸人さんが本気で取り組んだ文化祭の出し物」という印象。プロの歌手のような素晴らしい歌声やダンスを披露された方については、もちろん感動しましたが、逆に、ちょっと素人くささが残っていたりするのも面白いなと感じました。

阿佐ヶ谷姉妹が出演した「おたから塚歌劇団うめ組」も、メンバーの多くが、ちょっとずつ噛んだり間違えたり、音程が怪しかったりしましたが、この人たちが「宝塚パロディ」を演じていること自体を楽しんで見ているので、全く気になりませんでした。

これは、昔、テレビで毎年放送されていた「新春スターかくし芸大会」を面白がってみていた時の感情に少し似ているかもしれません。好きな芸能人が、本業以外のものにチャレンジしている姿を、そのメイキングも含めて楽しむ感じ。

この壁ライブも、YouTubeで、ライブのメイキング映像が公開されたので、芸人さんたちが、忙しい芸能活動の合間を縫って、頑張って練習されている姿も、あわせて、楽しませていただきました。

さて、おたから塚歌劇団うめ組のステージですが、本当に素晴らしかったです。「宝塚パロディ」ではあるけれども、単なるおふざけではなく、そのパフォーマンス力には「歌劇団」としての説得力があり、煌びやかな世界観を確かに作り上げていると感じました。

阿佐ヶ谷姉妹のお二人は、歌唱力とダンス、そして、聞き取りやすい発声に見事な台詞回しというスキルの高さで、チームをリードしていたと思います。

江里子さんの男役へ入り込み方は、すごかったです。話声も歌声も「一十百千万」という人物に100%なりきっていて、演じている間は、「渡辺江里子」の成分は全く感じられませんでした。色白なので金髪もよく似合いますし、持ち前の「華」が、男役になって、より一層、発揮されていると感じました。

「一十百千万」様は、先輩の椿鬼奴さんやゲスト出演の佐藤栞里さんを上手に立てながらも、歌でダンスでMCで、ぐいぐいと歌劇団を引っ張っていました。たとえば、今回、娘役のあいなぷぅさんが、台詞パートを完全に間違ってしまい、相手役の美穂さんも時間が全くない状態で対応できなかったのですが、この後に歌割のあった江里子さんが、慌てずしっかりと歌い上げたことで、崩れずにステージが進んでいったのは、特にファインプレイだと感じました。

みほさんの男役は、渋い感じの色男に仕上がっていて、アフタートークで「ジェームス・ディーン」を自称されていたのも、みほさんとしては冗談だったのかもしれませんが、私としては、ちょっと納得してしまいました。男役を演じているせいでしょうか、いつもの「妹役」の時には、お姉さんの後ろに隠れていて、あまり出てこない「侍みほ」的な一面が出ていたようにも感じました。特に、あいなぷぅさんが、MCで、台詞パートを間違った話をしたところで、「万次郎も機転が利かなくてすまなかった。何か言えばよかったな。」と、カッコよく慰めていた姿は、とても頼もしくて素敵でした。

あいなぷぅさんは、お姫様役がよく似合いますね。

吉住さんは、登場時の「こんなに入ってるのに赤字なのかぁ」という一言で、「万万」様のキャラクターの輪郭がしっかりと見えてきたのがすごいなと思いました。私はこのキャラクター、大好きです。

ヒコロヒーさんは、見た目のアイドル性が抜群で、ガチの女性ファンが付いてそうだなと思いました。それを分かっての自己演出もさすが。でも、一番ハンサムなのに、ダンスでは、一番女の子っぽい動きをしていたのが、ちょっと面白くて、そういうところも好きだなと思いました。

鬼奴さんは、昭和のスター感のある見た目で、阿佐ヶ谷姉妹ともまた違った魅力を発揮されていました。ちょっとお父さんっぽさもあって、一番、男っぽかったかもしれません。自己紹介で「酒とたばこは私の生きがい」と言って、10年禁煙したのが無駄になった気がしたと言っていたのには笑ってしまいました。

栞さんは、メンバーが皆さんおっしゃっていた通り、男役としての仕上がり方が本物でした。でも、どんなに仕上がった男役の風貌でも、笑顔のチャーミングさは隠せませんね。歌もずいぶん練習されたのでしょう。アリーナをトロッコに乗って移動している時にソロで歌われていましたが、しっかりと発声されていて、すごいなと思いました。

おたから塚歌劇団うめ組、これからも、継続してお姿を拝見できる機会がありますように。