ほめパラ!

見たもの聞いたもの。好きな人たちのことを褒めたい人です。

阿佐ヶ谷姉妹「ボヘミアン」

イントロがはじまると、お客さんに恥ずかしそうに微笑みかけ、上品に太ももあたりを叩きリズムをとりながら立ち位置に付くエリコさん。曲調が変わったところで、急に人が変わったように、腕をぶんぶん振り回して、全力でダンスを踊り始めます。おばさんらしからぬ動きに、会場からは小さな笑いが漏れますが、次の第一声で大きなどよめきが上がります。

カラオケ番組で99.656点を叩き出したエリコさんの驚異の歌唱力!おとなしそうな顔立ちに、ピンクのドレスをまとったおばさんが、いきなりロックな歌声を響かせたんですから、誰もが驚きますよね。

しかし、決して「歌手」気取りしてカッコつけたりしないところが、阿佐ヶ谷姉妹の素敵なところ*1あくまで自分たちの役割は「お笑い」であるというスタンスを崩しません。

パーフェクトな歌声にのせた、全力おばさんダンスは続き、お客さんを笑わせます。妙にキレッキレに動くものだから、よくあれだけ動きながら息を切らさずにブレずに歌えるなぁ、すごいなぁと半分感心しながらも、やっぱり、ピンクのドレス着たおばさんが、全力で踊っているのはおかしくて、何回見ても笑ってしまうw

さらに、「ありがとう」「ありがとう」と言いながら、最前席のお客さんに、ひょっとしたら、求められていないかもしれない握手*2をして回ります。手を差し出されたお客さんは、困惑しているんでしょうか、その状態を「ご協力ありがとう」と自ら俯瞰して見せ、さらにお客さんを笑わせます。

歌って自分が気持ちよくなるのでなく、お客さんを笑わせ楽しませようというサービス精神が徹底しているところに、プロ意識を感じます*3

そして、ステージに戻って、最後の「ボヘミア~ン!」を高らかに歌い上げ、見事にフィニッシュ。

拍手拍手!

歌い終わると、何か憑き物が落ちたかのように、また恥ずかしそうに微笑みながら、胸に手をあて、上品におじぎをするエリコさん。

このように、歌うと人格変わるように見える(見せている?)のもまた、エリコさんのかわいくて面白いところで、大好きです。

 

阿佐ヶ谷姉妹、最高にロックやん。(つんく♂風)*4

 

※エリコさんの後ろで、なぞのダンスをひらひらと踊っているミホさんにも注目。なんだこのかわいい生き物は(*´д`*)!感がすごい。

 


*1:こちらの記事(25周年を迎えたゴスペラーズが「令和は僕たちの時代」と語るワケ — 写真・大内香織 | anew - マガジンハウス)でゴスペラーズさんがコメントされてるのを読んでなるほどと思いました。音楽への愛とリスペクトがあるから、簡単に歌手を名乗れないし名乗らない。ただただ、音楽が好きで歌うことが好きな自分の気持ちに対してまっすぐで純粋。でも、そんな阿佐ヶ谷姉妹は、実は既に音楽の神様に愛されていたのだ…という妄想がとまらない。

以下、記事より引用。

「村上 阿佐ヶ谷姉妹さんはお笑い芸人という立場にいますが、ものすごく音楽を神聖なものとして自分たちのなかに持っている感じがありましたね。いろいろな企画のなかで、もちろん芸人的な笑いもとるものの、『今日ゴスペラーズと私たち歌えるんだ』という感情をすごく発してくれたのでそれはうれしかったですし、彼女たちは歌がうまかったですよ。」

*2:阿佐ヶ谷姉妹に落ちたての頃に、この動画を見ていた当初は、握手の時の観客のリアクション薄いなぁと感じていたのですが、大きな勘違いだったかもしれません。2020年1月4日の岐阜の営業ステージで、実際に現場をみたら、たくさんの人が姉妹と握手したり交流したりしたくて仕方ないって感じでした。ステージから降りる間際の姉妹に、プレゼント持って突撃する人がいてビックリしたり。会場から控え室に戻る姉妹を大勢の人が追いかけていって、ぶら下がりで移動している状態を見て、ちょっと怖くなったり。さすがに足を止めさせたりするような人はいなかったですが、握手を求めたり、勝手に写真を撮ったり、おばちゃん達が「奥さんこれ持ってって」をリアルにやってたり。営業のお客さん、フリーダムすぎるなと思いました。

でも、これだけ多くの人の心を掴んで夢中にさせてるのはすごいですよね。お茶の間の人気者ってこんな感じなのかな。ただ、いわゆる「出待ち」の方達は、もう少し暗黙の秩序のもとに行動されてるように聞いてますし、営業も、毎回こんな感じなのかは、まだよくわかりません。

*3:エリコさんは自分のことカラオケバカなだけとか、いつまでも素人くさくてとか言うけど、単なる歌うまタレントじゃなくて、やっぱりステージの上でパフォーマンスする人だなぁと、改めて思うのです。親しみやすさだけでなく、普通じゃないよね、すごいな!と思えるところがないと、やっぱり推せないですよ。

*4:つんく♂さんの語る「ロック」については、こちらの記事で触れてます。

つんく♂「ロックは、なんでもいいわけじゃない。言うなれば「美しさ」がある。しかもただ美しいだけじゃない“ちょっと欠けた美しさ”です。風情というか趣があるというかね。そういう“完全ではない美しさ”が気持ちいいわけで。それをお互いが補うのがいいんです。」

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