ほめパラ!

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阿佐ヶ谷姉妹「おばさんあるある」感想(2020年9月24日お笑い演芸館+)

お笑い初心者が、ネタの感想を語ってみます。*1

阿佐ヶ谷姉妹のおばさんあるある」

「おばさんの1日」というタイトルでも、演じられることがあるネタ。

【これまで私がこのネタを見た履歴(最終更新:2020年9月27日)】

おばさんがやりそうなおもしろ言動を切り取って演じてみせる30秒から1分程度の寸劇を、のほほんとした楽しげな生歌ブリッジでつないでいきます*2

この生歌、なんとも、ほのぼのとしたリズムとメロディ*3で、これが、阿佐ヶ谷姉妹の優しい歌声によって奏でられると、自然と、身体が音楽に合わせて左右にゆらゆらと動いてしまうような気持ちよさがあります。*4

今まで見た「おばさんあるある」は、みほさんだけが歌っていましたが、今回は、最初2回はエリコさん、残りはみほさんが歌っていました。

あと、最後に、同じメロディを二人で歌って、全体をシメたのも、初めてみたパターンでしたが、きれいな構成で、とても気持ちよく感じました。

「2020年9月24日お笑い演芸館+」バージョン 感想

1 スーパーにて。1円が無いと大声を出すおばさん

スーパーのレジ前で会計をしている主婦二人。どこかで見たことのあるような風景。大声を張り上げる際の、言葉選びが秀逸だなと感じます。*5普通のおばさんのちょっと迷惑でおもしろおかしいところが、スパッと切り取られている。*6

演技については、エリコさんがやっぱり上手すぎて笑ってしまうのですが、みほさんが一言もしゃべらないのに、良い味を出していて、それを見るのも、このネタの楽しみの一つです。*7

2 調剤薬局にて。人の薬がうらやましくなっちゃうおばさん

確かに、二人の会話自体は、おばさんらしいやりとりだなぁと感じるのですが、そのやりとりを、調剤薬局という場所で繰り広げると、すごい頭おかしい感じになっちゃうのが、非常に面白いなと思います。てか、こんな人、実際にいるんだろうか。そんな奴おらんやろ〜とまでは言い切れない、絶妙な虚構度。

シュールというのかクレージーというのか、単なる癒しとか聖人キャラではなくて、こういう変なところが時々顔を見せるのも、阿佐ヶ谷姉妹に強く惹かれる理由の一つです。しかも、シュールとは言っても、決して、独りよがりではない。分かりやすくて、いいなぁと思うのです。

今回は、ブリッジの時に、姉妹のうち歌ってない方が、タイトルを言う構成になっているので、より一層、分かりやすく感じました。

2020年正月にななにーで初めて見て以来、大好きなネタ。

3 道端。ご近所話に花が咲くおばさん

前半は初見のネタ。

絶対にどこかで、聞いたことがある、おばさん的比喩表現にクスッと笑いました。

エリコさんの喋り方が非常に面白いです。話に熱がこもりすぎて、息継ぎするの忘れちゃったのかというような喋り方。でも、そこまで熱こめて話す内容か?というあたりも含めて、とっても、おばさんあるあるだな、と感じました。そういえば、以前、仕えてた女性上司がよく息継ぎ忘れるタイプだったw

後半は「細かすぎて」で見たことがある大好きなネタ。

「細かすぎて」で披露されたネタ*8の多くは、阿佐ヶ谷姉妹の冷静で鋭い観察眼*9が窺えるのが、面白いところ。

このネタも、現実では、ものすごく鬱陶しく嫌な印象を受ける井戸端会議の悪口の様子を題材にしつつ、限界まで短く切り取り脚色して演じているからでしょうか、おばさんの意地悪さ以上に滑稽さが際立って見える気がします。

こういうところ、職人っぽさを感じて、とても好きなんです。

客席からも、大きな拍手が起きていましたが、やっぱり「細かすぎて」ネタは強いんだなと思いました。

4 親戚の寄り合いにて。どっちなんだおばさん。

これも初めて見たネタでした。今回一番笑ったネタ。

これはリアルにありますね(笑)

おばさん役のエリコさんが、人の話ほとんど聞かないで一方的にしゃべりまくってるのは、おばさん1000%だったし、言葉選びも絶妙で、最高に面白かったです。

途中、姉妹の動きのシンクロ加減が見事で、見ていて気持ちいいところも、大好き。

最後、みほさんのゆるい一言と動きでシメたのも、私は、今まで見たことがないパターンだったので、新鮮に感じたし、阿佐ヶ谷姉妹らしい昭和チックなポップさが良いな、と思いました。

このネタ、また見たいな。

5 銭湯にて。サウナ愛があるも相手に伝わりにくいおばさん

これも初めて見たネタ。器用に声帯を操ることができるエリコさん*10 。新キャラ爆誕!という感じで面白かったです。

実際に見たことはないけど、本当にどこかの銭湯にいそうなおばさん。この人、商店街の八百屋か魚屋の女店主かな、とか、ネタの中では描かれていないキャラ設定まで想像が膨らみました。

それにしても、他のあるあるネタでも切り取られている特徴ですが、おばさんって、ほんと人の話を聞かないんだなあって、改めて思いました。私も気を付けよう。笑。

6 道端にて。夜、音がすると出てきちゃうおばさん

最後のネタ。小道具を使うのですが、いつも、見た目でまず笑っちゃうんですよね。

夜、外で大きな音がしたら、「どこ?」という会話を交わす。たぶん、多くの人が経験したことのあるシチュエーションだと思うんです。でも、外に見に行く場合、実際には、もっと、こっそりと見に行っている気がします。

設定の方があるあるで、おばさんの行動自体は、やりそうでやらない感じ。そんなおばさん的行動を、思いっきりパワフルに誇張して演じて見せてくれているのが、単純に面白くて、いつも、気持ちよく笑っています。

 

*1:

かつて、NON STYLEの石田さんが「ライブレポ大嫌い」と発言されて、ネット上で騒ぎになっていたのをチラ見して以来、お笑いの感想書くのはちょっと怖いという気持ちもあったりしますが、長年お笑いファンをやっている友達にもらった助言を頼りに考えた以下のマイルールを基本に、手探りですが、気をつけて書いてみたいと思います。

ボケバレ、オチバレは、好ましくない。
テレビや無料配信は、世間に平等に公開されたものであるので、原則、放送後のネタバレは気にしなくて良い。
ライブや有料配信は主催者の決めたルールに従う。
芸人さんがステージに立ちスポットライトが当たった瞬間に見えているもの、また、ネタが始まる前に判明している情報については、多くの場合、詳細に触れても、ボケバレ、オチバレに当たらないと考えてよい。
たぶんないけど、万が一、事務所関係者からのクレームが届いたら直ちに訂正。
事務所関係者以外からのご意見については、先方に、見たくないものを見ない自由が保障されているはずなので、基本的には、対応不要。

*2:にちようチャップリンでは、生歌ではなく、事前録音されたBGMとナレーションがブリッジになっていました

*3:原曲が分からないので、鼻歌アプリでつきとめようとしたのですが、たどり着けませんでした。知っている方がいらっしゃいましたら教えていただけましたら幸いです。

*4:ちなみに「歌ってコント」では、ファミリーマートの入店音を二人でハモってブリッジにしていて、これも上手くて面白いです。最近だと、ゴスペラーズのアカペラコンサートで披露していました。

*5:ちょっとネタバレになりますが「お父さーーん!」の一言でこんなに伝わるなんてすごい、って思うのです。

*6:ちなみに、歌ネタゴングSHOWで披露した白日の替え歌の歌詞にもこのネタが盛り込まれてましたが、限られた文字数で、この内容を描き出したのは、もはや短歌とか俳句の世界のようだと感じました。

*7:ヒルナンデスのモノマネ勝ち抜き企画で、このネタ単発で披露した際に、オードリー春日さんが「横で立ってるみほさんの演技がいい。嫌そうだけれども、文句も言えないというような感じ」と仰っていました。

*8:ちなみに、私が一番好きな「細かすぎて」ネタは「離島でも自分たちのスタイルを崩さない由紀さおり安田祥子姉妹」みほさんしか喋っていないのですが、間のとり方が面白くて、何回見ても、同じところで笑ってしまいます。

*9:たとえば細かすぎてネタ「パン屋にいる人」は実際にみほさんがまちで見かけたおばさんを面白いなと思って作ったものらしいです。

*10:でも、このキャラの声は喉が痛くなりそう。大丈夫かなってちょっと思ったりしてました。喉大事にしてください。